まれに、同じ年なのに「この人、若いな」と思う人がいます。
年齢を重ねると実年齢と見た目(体)年齢との個人差が大きくなり、
特に高齢者は、その傾向が強く、60〜70代で要介護の人もいれば、80代〜90代でも元気な人もいます。
このような違いを感じ始めるのが30〜40代で、50代でも見た目が30〜40前半ぐらいに見られる人もいる反面、50代で60〜70代に見られてしまう人もいます。
私が、今まで治療やリハビリ、脱力トレーニングのレッスンなどで、「実年齢よりも若く見える人」の共通点を見出しました。
その共通点とは?
まず、基本的に
- 姿勢が良い
ことです。
そして、このような方が普段の生活で見えないところで心がけていることがあります。
それが、
- 食べる量をコントロールしている
- 座る時に姿勢が崩れないように気をつけている
- エスカレーターと階段があったら、階段を選ぶ
ようなことです。
細かいことは体質によっても違うので一概には言えませんが、この3つのことを心がけることは共通しています。
この3つのことによる効果について詳しく述べたいと思います。
食べる量をコントロールしている理由
見た目の若い人は、食べる時には結構沢山食べています。
これは意外に思うかもしれません。
「あの人、あんなに食べるのに太らないよね」
という人もいます。
これには理由があって、
このような人は、
「昼だから食べなきゃ」
とあまりお腹が空いていなくても習慣で食べるのではなく、
「今日は、おなかが空かないから少しにしよう」
というように、食欲ない時には量を少なくしたり、一食抜いたりして調節しています。
しっかりと体の声を聞きながら、惰性に流されて食べるようなことはしません。
ですが、自身の身体にとって不足している感覚を覚える時には食べる量など気にせずに食べたい物を食べたいだけ食べます。
けっして、
「これ以上食べたら太るから」
とか
「体にいいからこれ食べなきゃ」
と言うように、頭で食べ物を分別するような食べ方をしません。
これは、ある意味、身体感覚が鋭くなければ実行できないことです。
そのキーワードになるのが、腹横筋です。
座る時に姿勢が崩れないように気をつけている理由
椅子や床に座る時、どうしても姿勢を崩してしまいます。
座るという行為は、身体、特に腰や背中、脚に負担をかけてしまうからです。
- あぐらをかくと脚には負担が少ないけれど腰や背中がキツくなる
- 正座をすれば腰や背中には負担が少ないけれど、足が痺れたり、膝に負担がかかる
- 椅子に座れば身体には負担が少ないけれど、なんとなく安定感がない
というようなことがあります。
このような状態で、姿勢を正し続けることは困難です。
ですが、見た目の若い人は、このような状況でも姿勢を保ように心がけています。
このような人にとっては、崩れた姿勢よりも正した姿勢の方が楽だと感じているのです。
姿勢を崩すと、その時は楽でも時間が経つと身体に負担をかけます。
背中を丸めぱなしにしていれば、首や肩に負担がかかります。
これは、前に出てしまった頭を支えるために首や肩の筋肉で支えようとするからです。
また、肩肘をついたりして姿勢を歪ませると体の歪みによって首や腰などの部位に負担がかかり、首の痛みや腰痛に悩んだりしやすくなります。
その上、内臓の働きが弱くなります。
これは、体が歪むことで内臓を圧迫して内臓に負担をかけてしまうからです。
見た目の若い人は、このような負担を事前に感じ取り、このような姿勢の崩れを起こすことを予防しているのです。
また、姿勢を正すことは、美容と健康のために、とても有意義です。
なぜかと言いますと、「腹横筋」という筋肉が活性化されるからです。
腹筋には、
- 腹直筋
- 外腹斜筋
- 内腹斜筋
- 腹横筋
の4種類の腹筋があります。
その中で一番深層にあるのが腹横筋です。
腹横筋には、体幹部を支える働きがあり、コルセット筋とも呼ばれています。
腹横筋が衰えると体幹の支えが弱くなり、おなかがたるみ、脂肪が蓄積してぽっこりおなかになります。
そうなると、背中が丸まり胸がたるみ、バストの位置が下がります。
そして、頭が前に出て首が短くなって首の横シワが増えます。
さらに、顔が下に引っ張られ、顔の皮膚がたるみ、シワが増えます。
腹横筋が衰えることで、このような加齢の負の連鎖が進みます。
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なので、腹横筋を鍛えれば、この負の連鎖を食い止めることができます。
ですが、この腹横筋、残念なことに筋トレでは鍛えられないのです。
では、どのようにすれば鍛えられるのか?
安心してください!
方法は簡単です。
- 体幹を伸ばし続けること
ただ、それだけで腹横筋が鍛えられます。
見た目の若い人が、毎日の習慣の中で常に背筋を伸ばすことを心がけているのは、そのためです。
エスカレーターと階段があったら階段を選ぶ理由
エスカレーターの横に階段があります。
あなたは、どちらを選ぶでしょうか?
多くの人は、おそらく、無条件にエスカレーターの方へと足が向くと思います。
しかし、見た目の若い人はそうではありません。
進んで階段の方へと向かいます。
エスカレーターよりも階段の方がキツイはずなのに、なぜなのでしょうか?
それは、体を動かした方が心地よいからです。
見た目の若い人は、その時はきつくても筋肉を使った方があとで体が軽くなることを知っているからです。
あと、体が軽いから、軽い状態を維持したいとか、さらに軽くしたいと思うのです。
その理由は、階段を登ることで普段使われない筋肉を使うことができるからです。
それが、お尻の筋肉です。
お尻の筋肉は健康のバロメーターになるのですが、現在社会では使う機会が少なくなっています。
お尻の筋肉がついている人は体年齢も若く元気です。
それに対して、お尻の筋肉が少ない人は体年齢が高く、若い人でも元気がありません。
見た目の若い人は、お尻の筋肉を使うと若返ることを無意識の内に知っているのかもしれません。
お尻の筋肉は体の筋肉の中でも大きく、特に階段登りのような運動はお尻ばかりではなく脚の筋肉を全体的に使います。
下半身には、体全体の約7割の筋肉が着いていると言われ、階段を登るとその大部分を使うことができます。
筋肉を使うと成長ホルモンが多く分泌されます。
この成長ホルモンこそが若返りのホルモンなのです。
成長ホルモンは思春期の頃に多く分泌されますが、大人になっても分泌されますが、加齢と共に分泌量は減少します。
成長ホルモンは睡眠時(ノンレム睡眠時)に分泌され、破損した組織の修復(骨や筋肉、皮膚を作る)や体脂肪の分解などの作用があり、若返りホルモンとも言われています。
また、筋肉が使われる時にも成長ホルモンが分泌されるのです。
その他に、各種様々なホルモンが分泌され、その中にセロトニンがあります。
セロトニンは精神を安定させるホルモンで、夜になるとメラトニンという睡眠を誘発させるホルモンに変化します。
なので、筋肉を使わないと成長ホルモンの分泌が少なくなり、成長ホルモンの分泌を促す良質の睡眠も得られなくなります。
このことが、加齢を加速させています。
このように、見た目の若い人は、筋肉を積極的に使うことで若返りホルモンを分泌する行動を選択しているのです。