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変性意識を解くために必要なこと

変性意識について、さまざまな記事を書きました。

 

変性意識も軽度でしたら問題ありませんが、深みにハマると

  • マインドコントロールされやすくなる
  • 情緒が不安定になる
  • 体のトラブルを起こしやすい
  • 怪我をしやすい
  • 精神疾患に陥る
  • 自律神経が乱れる
  • 感情が希薄になる
  • 感覚が鈍くなる
  • 変性意識カーストに巻き込まれる

など、さまざまな問題があります。

 

【関連記事】

なので、深みにハマらないように気をつける必要があります。

 

変性意識に陥ってしまう原因に、呼吸が浅くなることがあります。

 

呼吸が浅くなると、体内の酸素が不足し、呼吸数が速くなります。

 

そうすると、交感神経が優位に働き、精神的に不安定になります。

 

このことで、大脳皮質前頭連合野という意識を統合する箇所の働きが弱くなります。

 

これが、脳のバグ(誤作動)を起こす変性意識の原因なのです。

【関連記事】脳のバグ(誤作動)を起こす変性意識

 

変性意識は、深さによって

  • 軽度の変性意識
  • 中程度の変性意識
  • 深い変性意識

の3段階があると考えられます。

 

これらの状態で起こる身体の反応について述べていきたいと思います。

軽度の変性意識状態での身体の反応

軽度の変性意識状態は、日常生活の中で誰しもが経験します。

 

例えば、

  • ボーとする
  • テレビやスマホを見る
  • 考え事をする
  • 昔のことを思い出す

などの時です。


普段よりも呼吸が浅くなりますが、ソファーでくつろいだりなど姿勢を崩して座っている時など、体を動かしていないので低酸素状態には陥りにくいので、特に問題はありません。

 

ですが、長時間、長期間、このような習慣を続けていると体幹を支える腹横筋という筋肉が弛緩し、働らかなくなり、弱ってしまいます。

 

このことで、メンタルに悪影響を及ぼす恐れも出てきます。

 

これは、体を支える働きが弱くなり、内臓を圧迫して交感神経が優位に働くようになるからです。

 

そうなると、姿勢を制御するための脳の機能も低下してしまいます変性意識が深くなり、中程度の変性意識状態に陥ってしまうことも懸念されます。

中程度の変性意識状態での身体の反応

慢性的に腹横筋がたるんだ状態が続くと、起きている時にも腹横筋が働かなくなり、

  • ぽっこりお腹になる
  • 肩こりがひどくなる
  • 腰痛になる
  • 体を動かすのが億劫になる

などの弊害も伴います。

 

この時、身体の歪みが強くなり、体幹部のアウターマッスル(腹筋や背筋)の緊張が強くなります。

 

そうなると、内臓の一部分が圧迫されてしまいます。

 

このことで、精神的に不安定になり、

  • イライラしたり
  • 不安に駆られたり
  • 不満が溜まったり
  • 怒りっぽくなったり
  • 気分が落ちつかなかったり

 

など、ネガティブな気分になりがちです。

 

また、

  • マインドコントロールを受けやすかったり
  • 変性意識カーストに巻き込まれるのも

中程度の変性意識状態にある時です。

深い変性意識状態での身体の反応

変性意識が深くなればなるほど、ポジティブになるという逆転現象が起こります。

 

なので、中程度の人が味わう精神的な不安定感がなくなります。

 

その上、大脳皮質の前頭連合野の働きが著しく弱くなることで、記憶力が上がったり、集中力が上がったり、潜在能力が上がったりなどの効果もあります。

 

脱力体と深い変性意識状態との違いは「インナーマッスルの過緊張にある」と以前の記事深い変性意識における脱力(意識が狭窄することによる感覚の鈍麻」で書きました。

 

そのインナーマッスルとは、腹横筋です。

 

中程度の変性意識状態までは腹横筋の働きが弱くなりますが、深い変性意識にあると逆に体を支える腹横筋が過緊張します。

 

これは、呼吸筋の過緊張状態になるため腹横筋が過緊張することで、呼吸筋の働きを代行するからだと考えられます。

 

腹横筋が働くとその周りのアウターマッスルが弛緩する性質があります。

 

これは、「脱力体」における脱力も同様です。

 

変性意識に深く陥ると脱力することができると言われるのは、そのためです。

 

そのため、深い変性意識状態でも脱力する感覚を得ることができます。

 

ですが、似て非なるものです。

 

本来の「脱力体」では腹横筋が働きますが、あくまでも適度に働きます。

 

それに対して、深い変性意識状態では腹横筋を固めます。

 

この差は、とても大きいのです。

 

腹横筋を固めてしまったら、おなかの中に入っている内臓が全体的に圧迫されてしまいます。

 

その上、呼吸筋も過緊張しているので、さらに内臓を圧迫します。

 

このことで、内臓にダメージを与えてしまいますが、深い変性意識によって感覚と感情が鈍くなってしまっているので、このことに気が付きません。

 

このことで、病気がちになり、寿命を縮めることになりかねません。

呼吸筋を緊張させる変性意識

変性意識状態に陥ると、呼吸が浅くなる傾向があります。

 

その理由は、呼吸筋の緊張にあります。

 

呼吸筋には、吸息筋と呼息筋の2通りの筋肉があります。

  • 吸息筋は、横隔膜
  • 呼息筋は、内肋間筋と外肋間筋

です。(通説では、外肋間筋は吸息筋であると言われていますが、ここでは、その説は採用していません。)

 

吸息筋である横隔膜は、肋骨の最も下の方に着いて胸腔と腹腔とを隔てる筋肉です。

その働きは、横隔膜を腹腔の方へ押し下げ、胸腔の容積を広げ、肺に空気を取り込みます。

 

対して、呼息筋である内肋間筋と外肋間筋は、肋骨と肋骨との間にある筋肉です。

その働きは、肋骨の隙間を縮め、胸腔の容積を縮め、肺にある空気を外に出します。

 

これらの呼吸筋が円滑に働くことで深い呼吸が行えます。

 

ですが、変性意識状態に陥ると吸息筋と呼息筋のいずれの筋肉の緊張が強くなります。

 

その度合いは、変性意識が深くなるほど強くなります。

 

呼吸筋の緊張が強くなると、息を吸うのも、息を吐くのも、しづらくなります。

 

その大きな理由は、体の歪みによって胸郭が捻れたり、歪んだりすることで肋骨の動きが悪くなるためです。

 

呼吸筋の緊張が高くなると、呼吸数が増え、交感神経が優位になり、その結果、内臓の働きが悪くなります。

 

中程度の変性意識状態の時に、ネガティブな気分になりやすいのは、そのためです。

 

変性意識が深くなるにつれて呼吸筋の緊張は強くなります。

 

ですが、深い変性意識状態になると腹横筋の緊張が強くなります。

 

そうすると、息を吐き出しやすくなります。

 

なぜかと言いますと、腹横筋が強く働くことで、横隔膜を押し上げやすくなるからです。

 

横隔膜が押し上げられると、今度は、横隔膜が伸ばされるので伸張反射によって横隔膜の収縮力が高まり、息が入りやすくなります。

 

瞑想や呼吸法で深い変性意識状態に陥ることができる人は、腹横筋を過緊張させることができるようになると考えられます。

 

俗に言われる呼吸法(腹式呼吸や逆腹式呼吸)は、呼吸筋を強制的に動かすことで呼吸筋を過緊張させ、そのことで腹横筋を過緊張を誘発させて深い変性意識状態へと陥らせるための方法だったのです。

変性意識状態を解くためには

このように考えると、変性意識状態から脱却するためには、呼吸筋の過緊張を解くことだと言えます。

 

呼吸筋の緊張が解くことができれば、変性意識を解くこともできることになります。

 

そうであれば「呼吸法が良いのでは?」と考えてしまいそうですが、逆効果です。

 

安易に、呼吸法を行うとかえって呼吸筋の緊張を高めてしまうからです。

【関連記事】呼吸法のリスク(呼吸法の効果と危険性)

 

その理由は、筋肉の性質にあります。

 

筋肉には「伸ばせば縮む」という性質があります。

 

これは、伸張反射と呼ばれる反射で、緊張している筋肉を無理に伸ばそうとすると、筋肉を守るために伸ばされないように緊張を高めて抵抗してしまいます。

 

なので、呼吸法を行えば行うほど呼吸筋を固めてしまう恐れがあります。

 

では、どのようにすれば、呼吸筋の緊張が解けるのでしょうか?

 

まず、体の歪みを改善することです。

 

呼吸筋の緊張は、胸郭の歪みによって引き起こされています。

 

ただ、体というのは連動しているので、胸郭の歪みだけを改善しようとしても胸郭の歪みを改善することができません。

 

なので、体全体の歪みを整える必要があります。

 

体全体の歪みが改善されることで、胸郭の歪みも改善され、胸郭の動きが良くなり、呼吸も楽になり、呼吸筋の負担が軽減されます。

 

そうすれば、呼吸数も少なくなり、副交感神経の働きが良くなり、内臓の働きも高まります。

 

次に、おなかを温めることです。

 

おなかが冷えている(深部体温が低くなる)と内臓の働きが悪くなります。

 

内臓の働きが悪くなると、交感神経が優位になって呼吸数が多くなり、呼吸筋が緊張しやすくなります。

 

逆に、おなかを温めると、内臓の働きが良くなり、副交感神経が優位に働いて呼吸数が抑えられ、呼吸筋も緩みやすくなります。

 

副交感神経が優位に働くことで、睡眠の質が上がり、疲労を回復させます。

 

そのことが、内臓の働きをさらに高めてくれます。

 

そうした上で、「骨で身体を支える」ことを心がけることです。

 

日頃から「骨で身体を支える」ことを心がけることで、腹横筋が働き、内臓を守ってくれます。

 

腹横筋によって守られた内臓は、安心して活動できます。

 

なので、交感神経の過緊張を伴いにくくなり、呼吸数の上昇を抑え、呼吸筋に負担をかけることがなくなります。

 

腹横筋が働くと言っても、深い変性意識状態のように腹横筋を過緊張させてしまってはいけません。

 

そうしてしまうと腹横筋で内臓を圧迫してしまうため、常に交感神経が過緊張状態になってしまうからです。

 

深い変性意識状態に陥ると感覚が鈍麻するため、交感神経の過緊張状態を体感することなく、興奮状態となります。

 

人は、興奮状態にあると不安を感じなくなります。

 

興奮状態が「リラックスしている」というふうに勘違いを起こします。

 

なので、見かけだけ姿勢を良くしても意味がありません。

 

骨で身体を支えるためには、まず身体軸」を作ることです。

 

身体軸が伴わなければ、骨で身体を支えることはできません。

 

身体軸を作ることが習慣化されることで、通常の意識状態と変性意識の状態との区別がつくようになります。

 

なので、不意に変性意識に陥ってもすぐに抜け出せるようになります。

 

変性意識を解くためにも、変性意識に陥らないためにも「身体軸」を作ることが大切なのです。