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ハムストリングスを鍛える時の注意点

筋力トレーニングでは、ハムストリングスを鍛えるのはレッグカールという方法で行います。


レッグカールとは、うつ伏せになった状態で膝を曲げる運動を負荷をかけて行うトレーニングですが、このトレーニングは膝を曲げる時の力を鍛えるためのものです。

 

走るためにはハムストリングスが必要なことは知られていますが、ただハムストリングスを鍛えればいいという話ではありません。

 

ハムストリングスは、歩いたり走ったりする時にももを後ろに動かすと同時に膝を後ろに伸ばす時に働きます。

 

ですが、レッグカールで膝を曲げる時、股関節は動かしません。

 

ですので、レッグカールでハムストリングスを鍛えても実際の走りには反映されません。

 

なぜならば、ハムストリングスの収縮が膝を曲げる動作として脳にインプットされてしまうからです。

 

そうなると、せっかく鍛えたハムストリングスが股関節を伸展する時に使われませんので、ハムストリングスを有効に使われない恐れがあります。

 

ただ、実際の動作では一つの筋肉だけが働いて行われることは極めて稀です。

 

実は歩く時、膝を後ろに伸ばす動作で、ももの後ろの筋肉と前の筋肉は同時に働いているのです。

 

筋トレは解剖学的見地で構築されていますので、実際の動作に反映されていません。

 

そのことを踏まえて行わなければ、逆に身体能力を落としてしまう恐れもありますので注意が必要です。

 

実際の動作は重力の力に抵抗して行われるので、そのことを踏まえて考えることが必要なのです。

 

なぜならば、脚の場合、解剖学的解釈で考えた場合と実際の動作で考えた場合とでは力学的支点が異なるからです。

 

このように、動作を行う状況によって力の支点も変わります。

 

人は意識しだいで自由に体を動かすことができますので、身体の構造に逆らった動きを行ってしまうケースが多く見られます。

 

そのような動作を繰り返して行うことによって、体の1部分に負担をかけてしまい、その結果、体を痛めたり、怪我をしたりするのです。

 

このようなことを防ぐためには、身体の構造に従った動きをする必要があると思うのです。