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呼吸法のリスク②(呼吸法による負の代償)

前回の記事「中丹田の効果②(変性意識を解くカギ)」で、呼吸が浅くなると頭に熱がこもり、変性意識に陥りやすくなることを書きました。

 

それであれば、呼吸法を行えばいいのではないのか?と思うかも知れません。

 

そうすれば、呼吸法によって脳のオーバーヒートを防ぐことができます。

 

確かに、その通りです。

 

しかし、呼吸法は安易に行うべきではないというのが、「脱力クリエイト」の考えです。

 

呼吸法には脳のオーバーヒートとは他の理由で深い変性意識に陥る恐れがあるためです。

  

それどころか、呼吸法こそが深い変性意識に陥らせる元凶でもあります。

 

その理由とは?

変性意識に深くハマってしまう呼吸法

深い呼吸の代名詞として広く知られている呼吸に腹式呼吸があります。

 

ですが、腹式呼吸は深い変性意識に陥る危険性があるのです。

【関連記事】呼吸法のリスク(呼吸法の効果と危険性)

 

これは、腹式呼吸だけではなく、

  • 逆腹式呼吸
  • 丹田呼吸

なども例外ではありません。

 

これらの呼吸に共通する点が2つあり、

  • おなかに意識を集める
  • おなかを動かす

ことです。

 

人は、一点に集中すると催眠という変性意識状態に陥ります。

 

催眠とは、意識が狭窄する変性意識状態のことです。

 

そうなると、意識を集中させた所以外の感覚と認識が弱くなります。

 

なので、おなかに意識を集中することで催眠に陥りやすくなります。

 

これが、変性意識に陥る入り口になります。

 

そして、おなかを積極的に動かすことで、さらに深い変性意識に陥ります。

 

意識的におなかを動かすことで、おなかの中の内臓が動かされてマッサージされて内臓の働きが良くなると思われていますが、そうではありません。

 

内臓への刺激も適度でしたら、効果的です。

 

しかし、意識的におなかを動かすと内臓に対して刺激過多になってしまい、かえって内臓の働きを弱めます。

 

余談ですが、最近、巷で言われている腸もみマッサージなども同様で、おなかへのマッサージによってかえって腸の働きを弱めてしまうので、施術を受ける際は注意が必要です。

 

内臓の働きが弱まると交感神経が優位に働き、脳に血液が集中し、脳に熱がこもりやすくなります。

 

このことで、さらに深い変性意識に陥りやすくなります。

呼吸法で変性意識が深くなる理由

腹式呼吸で、脳に熱がこもったとしても、深い呼吸を行うことで肺より熱を逃すことができれば、脳がオーバーヒートせずにすむかも知れません。

 

そのように考えれば、呼吸法は変性意識を解くための手法になり得るとも言えます。

 

確かに、瞑想の一環で呼吸法を取り入れる理由として、瞑想のリスク(変性意識状態)を回避することにあります。

 

瞑想は、主に頭に意識を向けて行うため、脳のオーバーヒートを起こしやすくなります。

 

呼吸法を行うことで、脳のオーバーヒートを回避することができます。

 

しかし、脳に負担をかける理由は、それだけではありません。

  • 一時的に酸素不足状態を作る

このことによって、ドーパミンを分泌させやすくなります。

 

既存の呼吸法は、意識的に息を長く吐くことを重要とし、息を止めます。

 

このことで、一時的に酸素不足状態になります。

 

息を吐き終えれば自然と息が吸われるので、あくまでも一時的ですが。

 

この時に、苦しさを紛らわすために、脳内からドーパミンが分泌されます。

 

特に、おなかに意識を向ける呼吸法では、意識がおなかに集まっているため、その他の感覚が鈍くなっています。

 

なので、息を吐き続けるという息苦しい状態でも、息苦しさを感じません。

 

呼吸法を続けていくと、さらに感覚が鈍くなります。

 

そうして、変性意識の深みにハマり込んでしまうのです。

脳内麻薬になってしまう呼吸法

呼吸法を行うことで、変性意識の深みにハマりこむ理由は、それだけではありません。

 

むしろ、呼吸法を行っていない時に問題があります。

 

呼吸法を行うと、呼吸筋の過緊張を引き起こします。

 

この理由は、呼吸法を行うことで呼吸筋に過度なストレッチがかかり、伸張反射によって呼吸筋が固くなることにあります。

 

そうすると、普段の呼吸が浅くなってしまうのです。

 

これは、常に交感神経が緊張している状態でもあります。

 

このように呼吸筋が過緊張を起こしていても、呼吸法を行う時には深く呼吸することができます。

 

そのわけは、意識的に息を吐くことにあります。

 

意識的に息を吐こうとすると、腹横筋というインナーマッスルが過緊張して横隔膜を押し上げます。

 

そうすると、横隔膜が引き伸ばされ、伸張反射によって横隔膜の収縮が大きくなると同時に肋間筋が伸ばされて胸郭が広がり、深く息を吸い込めます。

 

そうして、伸ばされた肋間筋が伸張反射によって収縮して胸郭が縮み息が吐かれます。

 

呼吸法によって強制的に伸ばされた呼吸筋は、伸張反射によって収縮しやすくなります。

 

このことで、慢性的に呼吸筋が固くなり、呼吸が浅くなりがちになります。

 

この状態では、交感神経の働きが強くなり、脳がオーバーヒートを起こすために、精神的に不安定になり、情緒が安定しなくなります。

 

そこで、呼吸法を行うと、脳のオーバーヒートが解消されて情緒も安定します。

 

このことを利用して、メンタルコントロールに利用している人もいます。

 

この時、呼吸法がトリガー、脳のオーバーヒートが解消されて情緒が安定することがアンカーとなり、辛いことや不安など不快な感情を抑え込む脳内麻薬が作り出されます。

 

これが、変性意識を更なる深みにハマりこむ大きな理由です。

呼吸法による負の代償

呼吸法によって、メンタルコントロールができたとしても、その代償はとても大きいです。

 

呼吸法によって、

  • ドーパミン過多
  • 自律神経の乱れ
  • 内臓の圧迫

の恐れがあります。

 

これらによって、精神的にも、身体的にも不具合がもたらされます。

【関連記事】瞑想の危険性(変性意識のリスク)

 

そう意味で言えば、瞑想よりも危険性が高いかも知れません。

 

瞑想は、変性意識に入るためのハードルが高く、雑念が浮かび、意識を集中させることが困難だからです。

 

それに対して、呼吸法は呼吸に意識を向ける分、雑念が浮かびにくく、意識を集中させやすいため、変性意識の深みにハマりやすいとも言えます。

 

変性意識に深く陥ることで潜在能力を引き出したり、願望を叶えやすくなりますが、身体に無理を強いるため、後々、心身に歪みが生じて後遺症に悩まされたり、寿命を縮めたりすることにもなりかねません。

 

変性意識からの脱却することを強調しているのは、そのためです。


今までブログで書いた「変性意識の危険性」についての記事をまとめたものをnoteにて投稿しました。

そうしたら、書籍と同じぐらいのボリュームになったため、今回は有料記事(500円)として販売することになりました。

ご購読していただけると幸いです。