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靴の磨り減り方

靴の踵の磨り減りかたによって、その人の体型や体質が、ある程度分かります。


例えば、踵の外側の方が磨り減っている人は、やせているがおなかがぽっこりと出ている人が多く、逆に、踵の内側が磨り減っている人は、姿勢が良く見えますが太っている人が多いです。


あと、細かくいうと様々なパターンがありますが、ここでは割愛いたします。

 

靴の底の磨り減り方の違いは、歩き方の違いによると思われるかもしれません。

 

しかし、歩く時の膝の動きは膝の曲げ伸ばしを繰り返す運動なので歩行パターンを見ても、ほとんど変わりありません。

 

その違いを決めているのは、歩き方ではなく骨盤の傾きなのです。

 

踵の外側が磨り減る人の骨盤は後ろに傾いており、踵の内側が磨り減る人は骨盤が前に倒れています。

 

その違いは体の重心と深く関係し、骨盤が後ろに傾くと体重が踵に乗り、骨盤が前に傾くと体重がつま先に乗ります。

 

骨盤の傾きを決めているのが、腸腰筋という体幹部のインナーマッスルなのです。

 

腸腰筋は腰椎と小転子とを結ぶ大腰筋、骨盤と小転子とを結ぶ腸骨筋という二つの筋肉の総称で、それらの筋肉の張りのバランスが悪くなると、股関節のアライメントが狂い、それに伴って膝関節のアライメントが狂います。

 

そのことによって起こるのが、O脚やX脚なのです。

 

骨盤が後傾して踵に重心がある人はO脚となり、脚を前に出した時に踵の外が磨り減ります。

 

それに対して、骨盤が前傾して重心がつま先にある人はX脚になり、脚を前に出したときに踵の内側が磨り減ります。

 

このように、骨盤の傾きによって膝の関節のアライメントが異なるため靴の磨り減る所が変わるのです。

 

O脚が進行すると膝関節の内側の半月板が磨り減ってしまい膝の関節に変形起こります。

 

X脚が進行すると、膝関節の半月板が磨り減っていまい膝の関節に変形が起こります。

 

また、つま先や踵に体重をかけて続けると足のアーチが崩れて偏平足や外反母趾の原因ともなってしまいます。

 

ですので、靴のすり減り方が外側ばかりすり減ったり、内側ばかりすり減ったりする状態というのは、体にとって不都合なことになるのです。

 

身体の重心は仙骨の内側にあると言われ、体重が両脚のすねの骨(脛骨)に乗り、その時、踵より少し前に体重が乗るように立つのが理想です。

 

そのような姿勢で歩けば、靴底の真ん中がすり減ります。

 

腸腰筋の張りのバランスを整え、本来の重心の位置に戻すことによって膝の関節や足の指の変形を予防し、肩こり・腰痛などの改善につながります。

 

さらに、スタイルUPの効果も表れます。

 

靴の擦れ方を見れば、体の状態が分かります。

 

靴の底に目を向けて見てはいかがでしょうか?