久しぶりの投稿になります。
1年前、丹田について再考していました。
記事にできないまま1年以上たってしまいましたが、1年たった今の見解を織り交ぜ、今回まとめてました。
丹田は、感覚意識である。
しかし、感覚意識を身につけるためのも目的意識を使う必要がある。
なぜならば、体幹の意識は顕在意識に反映されにくいという脳の性質があるからだ。
よって、丹田の意識を意図的に作ることも必要となる。
だが、ここで大きな問題点がある。
それは「力み」である。
3つの丹田のうち上丹田と中丹田は比較的作りやすい。
しかし、臍下丹田は作ることが困難である。
なぜならば、臍下丹田に位置する下腹部は骨に囲まれていないからだ。
このことが、下丹田の構築を妨げる要因である。
意識と筋肉には、ある法則がある。
意識を向けるとその箇所の筋肉が収縮すると言う法則だ。
その効果を利用するのが筋肉を増大させる筋トレである。
しかし、その方法では下丹田を作ろうとすると全身の過緊張状態に陥ってしまう。
臍下丹田の意識を作る位置は、下腹部と骨盤の内部である。
骨に囲まれているのは側面と後面であり、前面には腹筋しかない。
なので、下腹部に意識を作ろうとすると、前面にある腹筋が収縮し、胴体部が前傾し姿勢が崩れてしまう。
そうなると、臍下丹田を作るために必要な腹横筋というインナーマッスルが働かなくなるのだ。
腹横筋は胴体を支えるための筋肉であるが、インナーマッスルであるが故に自身で意識することが困難である。
故に「丹田を作ろう」と下腹部を意識することで腹横筋以外の筋肉(内腹斜筋・外腹斜筋)が収縮してしまい、胴体部が前傾して姿勢が崩れてしまう。
このことが、臍下丹田の形成を困難にしている理由である。
上丹田と中丹田を作ってから臍下丹田を作ることをおすすめしているのは、腹筋の過緊張を防ぐことができるからだ。
稀に、臍下丹田のみを意識して形成に成功する人も稀に存在する。
そして、多くの人はこの方法では臍下丹田を作ることはできないだろう。
これは、深い変性意識(ゾーン)のなせる技である。
意識を臍下丹田集中させることで深い変性意識状態に陥らせる。
このことで、腹横筋が過緊張を起こし、下腹部の感覚意識が強くなる。
この時、横隔膜が過緊張している。
同時に、体を支える腹横筋も過緊張している。
臍下丹田の意識が強力に形成されることで、深い呼吸ができるようになるが、実際には横隔膜も過緊張している。
ゆえに、インナーマッスルが過緊張していてもアウターマッスルは弛緩させることができる。
感覚的には、リラックスできるように感じることができる。
しかし、このような状態は、心身ともにアンバランスな状態だとも言える。
そして、性格が意固地になりがちで、肥満体型になりがちだ。
そうならないようにするためには?
腹横筋が適度に収縮した状態にしたい。
腹横筋が活性化されるのは、背部と腹部が伸びた状態の時である。
感覚意識で言うところの身体軸が形成され、骨の垂直抗力を背骨に通した状態である。
あと、頭脳が明晰になり、心拍が安定して呼吸が深くできるような状態が好ましい。
頭脳を司どる感覚意識は上丹田、呼吸や心拍数を司どる感覚意識は中丹田である。
脳の働きに滞りがあると脳がオーバーヒートしてしまい、交感神経が優位に働いてしまう。
呼吸が浅くなり、心拍数が高くなっても、脳がオーバーヒートしやすくなり、交感神経が優位に働いてしまう。
これは、呼吸によって脳内の熱を放出させるためだ。
肺で冷却させた血液を心臓によって脳に運ばれ、生じた熱も肺に送られるのだ。
脳のオーバーヒートが解消されると腹部内臓の働きが良くなり、副交感神経の働きが優位になり、下丹田の働きも活性化される。
そう、臍下丹田を作るためには、身体軸、上丹田、中丹田の形成が必要条件となるのだ。
臍下丹田を作るのであれば、身体軸によって姿勢を整え、上丹田、中丹田によって脳の熱の籠りをなくし、腹部内臓の働きを良くしてから下丹田を作った方が良いと考えます。
さらに、上丹田、中丹田を先に作った方が、下腹部内部のイメージがしやすくなり、下丹田を作りやすくなるというメリットもあります。
身体軸、上丹田、中丹田、臍下丹田の順に作ることをおすすめするのは、そのためです。
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