手足の動きでも必ず体幹部の骨を起点になります。
ということは、体幹部の骨の動きが良くなれば手足の動きも良くなるといえます。
ただ、道具を用いた動作で脱力動作を行おうとしてもスムーズには行かないケースがあります。
道具の扱いに慣れること
手足の動きでも必ず体幹部の骨を起点になります。
ということは、体幹部の骨の動きが良くなれば手足の動きも良くなるといえます。
ただ、道具を用いた動作で脱力動作を行おうとしてもスムーズには行かないケースがあります。
まず、道具の扱いに慣れていない人が、いくら体幹部の骨の動きを良くしょうとしても脱力動作を行うことは不可能です。
その理由は、道具を円滑に扱える行うための脳のプログラムとそれに付随する神経系と筋肉とが作られていないからです。
その過程で、「力み」が生じるのは仕方ありません。
この時に生じる「力み」は、動作を脳にインプットするために必要なものだからです。
動作を覚えるうちに、脳のプログラムが構築され、それに付随する神経系と筋肉が鍛えられれば「力み」が少なくなります。
なので、道具の扱い方を脳と体にしっかりと覚え込ませることが前提となります。
慣れによってパフォーマンスが停滞する理由
道具の使い方に慣れて、道具を使いこなすことのできる身体ができてくると脱力のレベルが高くなります。
ですが、ある日を境に伸び代がなくなり、パフォーマンスが停滞するようになります。
それには、
- 成功体験が築き上げられてチャレンジができなくなる
- レベルUPに対する意欲がなくなる
などの、2つの原因が考えられます。
人は、成功体験を積んでいくと新しいことにチャレンジするリスクよりも、成功しやすい精度の高いパターンを繰り返すようになります。
そして、現状に満足できていればレベルUPを図る必要もなくなります。
このことが、パフォーマンスが停滞する要因だと考えられます。
もし、このような心理的要因ではなく、常にレベルUPを図ろうとしているけれど、レベルが停滞してしまっているとしたら。
古武術的身体操作法が功を奏さないわけ
そこで手を出したくなるのが、
- 軸や丹田を意識するトレーニング
- 脱力を意識したトレーニング
- 骨を操作するトレーニング
などの古武術的な身体操作法です。
これらのトレーニングを行うことで、身体操作能力が高まることは確かです。
ですが、多くの場合、実際の動作に反映させることはできないでしょう。
この理由は、身体の動きに意識を向けるトレーニングだからです。
しかし、道具を扱う動作は、道具に意識を向けなければなりません。
身体に意識が向くと、うまく道具をコントロールできない。
このようなジレンマ(葛藤)が、脱力動作を難しくしているのです。
体の歪みによるパフォーマンスの停滞
身体操作法は、あくまでも「身体調整のために使う」と割り切ることが必要です。
パフォーマンスの停滞の大きな理由は、体の歪みだからです。
一見すると、パフォーマンスの停滞と体の歪みとは関係ないことのように思われるかも知れません。
ですが、そうではありません。
体の歪みが強くなると、手指の動きが悪くなるのです。
【関連ページ】身体軸について
なぜならば、全ての身体動作は背骨を起点に行われているためです。
体の歪みが強くなると、背骨も歪みます。
そうなると、背骨と背骨とをつなぐ関節の動きが悪くなり、姿勢制御能力が低下し、腕に余分な力が入りやすくなります。
そのことで、手指に余分な緊張が伴い、脱力動作を妨げてパフォーマンスの停滞を招くのです。
なので、体の歪みを改善し、背骨の動きを良くすることが必要だと考えます。
そして、体の歪みを改善するだけでパフォーマンスの停滞を脱する人もいるとは思います。
空間意識®︎という考え方
ですが、それだけでは不十分な人もいるかも知れません。
体の歪みを改善することによって作られる姿勢と道具を用いる時の姿勢とは異なります。
このことを理解できる人は、体の歪みを改善するだけで十分だと思います。
ですが、このことを理解できない人は、パフォーマンスの停滞を改善することはできないでしょう。
道具を使うことで身体の重心の位置が変わります。
なので、体の歪みを改善する動作と道具を使う時とでは、良好な姿勢の取り方が異なります。
では、どのようにすれば、体の歪みを改善した状態を反映させることができるのでしょうか?
これが「空間意識®︎」という考え方です。
【参考記事】動作と意識(空間意識®︎を用いた脱力動作法)
空間意識®︎を用いることで、その状況に適した姿勢を取ることができるようになり、背骨主導の動作を行えるようになります。
これは、道具を用いた動作でも例外ではありません。
空間意識®︎が体幹の動きと道具とを繋いでくれます。
空間意識®︎を身につけることで、道具を使いながら体幹部の骨の動きを捉えことができるようになり、今まで以上に手足の動きが良くなり、パフォーマンスの向上を図ることができるようになります。