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身近に潜むマインドコントロールの罠

ビジネスのセミナーやスクールなどのなかには具体的な手法ではなく、自己啓発的な内容で成果を上げられると謳っているところもあると聞きます。

 

ただ、ここで気を付けなければいけないことがあります。

 

それは、「マインドコントロール」わかりやすく言えば洗脳です。

 

ただ、マインドコントロールは洗脳と同じ意味で使われがちですが、実は異なるものです。


洗脳は、身体なストレス(苦痛など)を与えることで、自己の価値観などをコントロールできるように書き換えることをいいます。


身体に苦痛を与える手段として、拷問、薬物、修行などがあり、DVなども洗脳の一つと考えられています。

 

肉体的に苦痛を与えることで、思考停止状態にして判断能力を奪い洗脳する側にとって都合のいい価値観を植え付けるものです。

 

洗脳については、こちらを参考になさってください!
洗脳wikipedia

 

それに対して、マインドコントロールは身体にストレスを与えることになく心理テクニックによってコントロールするのに都合のいいように価値観などを書き換えるものです。

 

マインドコントロールについては、こちらを参考になさってください!
マインドコントロールwikipedia

 

ですので、マインドコントロールの場合、身体的ストレスを与えられないので、あたかも自身の意思で行動しているように思い、コントロールされていることを自覚しにくいといわれています。

 

このようなマインドコントロールの手法は、詐欺などでよく使われ、新興宗教やネットワークビジネス、自己啓発セミナーやビジネスセミナーなどでも使われているようです。

 

洗脳とマインドコントロールとで共通しているのが、隔離された空間に集団で集められることのようです。

 

そして、恐怖心を煽ることで不安に感じさせ、判断力を奪います。

 

判断力が奪われると意識が狭窄した変性意識状態(催眠状態)になりやすくなり、潜在意識に働きかけやすくなります。

 

そこで不安に対して救いの手を差し伸べることで、コントロールする側に都合のいい価値観が植え付けられます。

 

洗脳の場合は身体的ストレスで、マインドコントロールの場合は精神的ストレスで恐怖心を植え付けます。

 

そうして、その不安から救いの手を差し伸べられると、そこに安心感が生じ自分の居場所と思うようになります。

 

そうして、その集団の中の行動や言動を統一化させることで、集団催眠をかけられることになるのです。

 

洗脳に比べてマインドコントロールは、身体的ストレスが与えられないので自分で判断して行動しているととらえてしまいがちで、精神的ストレスをかけられているとは気が付きません。

 

その点が、質が悪いところです。

マインドコントロールから身を守るためには

マインドコントロールをかけられると、それを解くことは容易なことではありません。

 

もちろん、素人では難しいので専門家の力を借りなければいけません。

 

ですが、それだけでも難しいようです。

 

一番重要となるのが、家族など身近な人です。

 

それは、メンタルの病気でもいえるのですが、家族とのコミュニケーションがマインドコントロールを解くために大切です。

 

専門家は、あくまでも助言などのサポートしかできません。

 

家族が向き合って接すれば、大きく改善されます。

 

その時に一番重要となるのが、当人の心境に「共感」することです。

 

マインドコントロールをかけられると思考が偏ってしまいます。

 

そこで一番行ってはいけないのが、その思考を頭ごなしに否定することです。

 

否定すると、共感が得られず、心を閉ざしてしまいます。

 

共感することで、当人の心が安心を得られます。

 

そして、よく休ませること。

 

マインドコントロールをかけられている状態の時には、潜在的に不安な状態にさせられるため睡眠の質が低下します。

 

そのことで、判断力が落ち価値観を植え付けられるのです。

 

なので、休息をとることで本来の判断力が戻ってきます。

 

ですが、恐怖心を植え付けられているので、その団体や組織から抜けだすことに対する恐怖が心の奥底にあります。

 

ですので、共感して、寄り添うことで「安心」させることが重要になります。

 

体が休まり心が落ち着いて来たら、しだいに家族の言葉に耳を傾けてくれるようになります。

 

マインドコントロールをかけられている人に、「安心した空間」を提供できるのは家族だけですから。

 

専門家は、マインドコントロールを解くための助言しか与えることができません。

 

マインドコントロールを解くことは容易なことではないので、マインドコントロールにかからないようにすることが一番大切です。

 

マインドコントロールを予防するためには、その手法を知ることが一番だと思うのですが、その手法は数多くあり、それらをすべて学習することは容易なことではありません。

 

特に今の世の中、潜在的に恐怖を感じている人が多いように感じます。

 

ですので、マインドコントロールの基本的な手法である「恐怖心を煽り植え付け不安にさせる」という作業を容易に行いやすくマインドコントロールにかかりやすくなっているではないかと考えられます。

 

話は変わりますが、以前、SNSで地震の予告がなされたという情報が流れ、それがオカルトのサイトで書かれていることを知り、そのサイトを見ました。

 

ですが、そこには、地震が来るということは一言も書かれていませんでした。

 

けれど、それにもかかわらずSNSで取り上げられて騒動となっていました。

 

精神が安定した状態でしたら、オカルトのサイトの記事に書かれていることを真に受けないと思います。

 

ちょうど熊本の震災の頃だったので、地震に対して潜在的に恐怖を抱いていた時期でした。

 

なので、このような騒動になったのでしょう。

 

恐怖心というのは、それぐらい判断力を低下させるものです。

 

ということは、誰もがマインドコントロールにかかりやすくなっているともいえます。

 

ですので、

  • 恐怖心を煽るような言動を真に受けないようにする
  • 怪しそうな集会には近づかない
  • 狭い空間で行われるような集まりの勧誘には乗らない

などの自己防衛が必要だと思います。

 

ですが、怪しそうな集会でない、普通の飲食店で行われた交流会に参加した時に、マインドコントロールをかけられるさまを目の当たりにしたことがありました。

巧妙に仕組まれたマインドコントロール

「私は、絶対にかからない」と思っている人、特に注意が必要です。


そのような人ほど、かかりやすいと言われています。

 

そのぐらいマインドコントロールの手法は、とても巧みなのです。

 

これは、私の経験で友人から交流会に誘われて行った時のことです。

 

席はクジで決められ、友人とは別のテーブルに座ることになりました。

 

そこで友人は、心理の専門家の方と同じテーブルにつきました。

 

その方は、ビジネスに役立てるコミュニケーション術を教える人で、とても魅力的な人でした。

 

実は、その交流会は、その方の行っているビジネスセミナーの案内を行うことが目的だったのです。

 

そうと知っていれば、交流会には参加しなかったのですが・・・。

 

その先生と同じテーブルに座った方々は、その先生に魅了されていました。

 

実は、それが「マインドコントロール」の一つだったのです。

 

通常マインドコントロールをかけるには、閉鎖された場所が必要だと言われています。

 

ですが、普通の交流会なので、そのような状況を作ることはできないはず。

 

それにも関わらず、うまく心理操作ができるのですから驚きです。

 

友人にはスピリチュアル的な力があり、人の邪心などを見抜く力があるとは言っていましたが、後で聞いた話、「邪心のようなものは感じなかったんだけどなあ?」と言っていたので、それで心を許したのかもしれません。

 

まあ、悪い人ではなさそうなので、邪心が見えなくてもおかしくはないのですが。

 

結局、友人に付き合って講演会や懇親会などまで参加することになりました。

 

さらに、セミナーよりも突っ込んだ内容を行うスクールの案内の話まで聞きに行くはめになりました。

 

私自身、そのようなセミナーやスクールにはまったく関心はなかったのでいたって冷静に聞いてたので「ここ矛盾してないか!」と思う所が多々ありましたが、友人は完全に信じ切っていたので、そのことに気が付いていませんでした。

 

話を聞きながら「ああ、こういうふうにコントロールしていくんだ!」と遠目から見ていました。


一通り話を聞いた後、私は「さて、ここからどう抜け出すか」ということを考えはじめました。

 

私一人であれば、すぐさま入会することを断り、その場を出ることもできたのですが、その時友人は、見事にコントロールがかかった状態だったので、うまく抜け出すことができません。

 

このような場合、先生のいる時の方が簡単に退席できます。

 

なぜかと言いますと、トップは説得や勧誘などは一切行わないからです。

 

説得や勧誘などは、下についている人が行うものです。

 

それは、宗教でもビジネスでも同じです。

 

入会するかどうかは友人自身の選択ですので、その判断は自身で行うべきだと思い、私は体調が悪いことを理由に、友人を残して先に帰りました。

 

私のこの行動が友人の心に引っかかったみたいで、入会するのを思いとどまったとのこと。

 

数日後、その友人に会い、その後の話を聞くと

「これは、解けてきているかも」

と思ったので、

「Y君、君、マインドコントロールにかけられていたよ」と伝えました。

 

友人は、「まさか」と言いましたが、その時の話の矛盾点を掘り下げて説明すると、そこで、友人にかけられたコントロールが完全に解けました。

 

「人はコントロールされていることに気が付くと無性に腹が立つのと同時に、何とも言えない恐怖を感じるものだと思う」

と友人は言いました。

 

「そういえば、なんとも言えない違和感があったんだけれど、このスクールで学べば成功するような気にさせられてた感じがする」

とも言っていました。

 

いくら人のために行うビジネスであっても、不用意に心をコントロールするべきではないと思うのです。

 

不安を煽り、視野を狭めて、そうして希望を持たせて気分を上げて、コントロールする側に都合のいい価値観を植え付ける。

 

そのような巧みな技法が多く用いられているのです。

 

なぜ、友人が「普通の飲食店」でマインドコントロールにかけられたのか?

狡猾な身体操作によるマインドコントロール

なぜ、友人が普通の飲食店という開かれた空間でマインドコントロールにかけられたのか?

 

私は心の専門家ではないので心理テクニックは知りません。

 

ですが、このことを経験して、巧みなマインドコントロールほどボディランゲージ(身体言語)を使って行われていることを知りました。

 

普通の飲食店で行われた交流会でマインドコントロールをかけることができるのは、身体操作が巧みに使われていたからです。

 

それによって閉鎖された空間でなくても、視野を狭くして判断能力を奪うことができるのです。

 

とても巧みなので、わかりづらいのですが、その先生の動作を観察することで、そのことに気が付きました。

 

その身体操作とは、体幹部の操作だったのです。

 

それは、体幹部の動きをみることができなければ気が付かない巧みなものです。

 

原理が分かったからと言って同じようにできる訳ではありませんが。


なぜかと言いますと、その身体操作に、言葉や声のトーンやジェスチャーなど一般的に知られている心理テクニックも駆使しているからです。

 

ちなみに、腕を動かしたりすることも、声に出すことも、体幹部をコントロールすることも身体動作です。

 

視覚の情報の多くは意識されることなく脳にストックされます。

 

ジェスチャーや言葉は意識しやすいのですが、声のトーンや体幹部の動きは顕在意識では認識されず、潜在意識にすんなり入ってしまいます。

 

なので、自分の意識には反映されません。

 

そして、人には無意識のうちに他人の動作をコピーする能力があります。

 

受講している人が指導者の姿勢を無意識のうちにコピーして、知らず知らずのうちに同じ姿勢を取ってしまいます。

 

これは、「ミラーニューロン」という脳にある神経細胞によって行われていると言われています。

 

ミラーニューロンwikipedia

 

ミラーニューロンは、人が動作を覚えたり、共感するために必要なものだと言われ、人が成長するために必要不可欠なものです。

 

ここでは、その先生が猫背のような姿勢を取りました。


そうすると、話を聞いている人は無意識のうちに猫背の姿勢をコピーしてしまいます。

 

そこに、親近感が生まれるのです。

 

そして、猫背の姿勢を取ると、前かがみになり視野が狭くなります。

 

視野が狭くなると意識も狭くなるので意識が狭窄した変性意識(催眠)状態になります。

 

実はこの先生は、猫背ではなく猫背ような姿勢を取っていました。

 

なので、この先生にはまわりが見えていて、受講者は猫背になって視野が狭くなっているので、指導者の見識の広そうな話が印象に残ります。

 

そこに、自分とは違う「何かを持っている魅力的に人」と認識させられるのです。

 

そうなると、指導者に釘づけになり、視野を狭くさせることで心理的に閉鎖された空間を作ることに成功します。

 

そして、身体を見る目がなければ気が付かない巧みなものでした。

 

しかも状況に応じて体の動きを意識的に使い分けているのです。

 

そのようにして、「体幹部の動きをコントロールすることで潜在意識にアプローチして意のままに心を操作している」と思うと恐ろしいことです。

 

マインドコントロールの手法は様々あると言われていますが、このように意識できないところから潜在意識に働きかけてきます。

 

その手法は、巧妙で素人には認知することができません。

 

なので、「君子危うきに近寄らず」です。

 

マインドコントロールをかけられたくなければ、自己啓発のような精神論的なセミナーやスクールには近づかないことが最善の防衛策となります。

 

では、なぜビジネスセミナーなどで自己啓発のような精神論的セミナーを行うのか?

自己啓発の矛盾

最近は、ビジネスのセミナーやスクールの中には、具体的な方法論ではなく、精神論的なことを教えるものが多くなっているようです。

 

それは、成功者の考え方や精神を学ぶことで成果を上げられるからなのでしょう。


そのことで、成功者を量産しようとしているのかもしれません。

 

ですが、「成功者の精神を学ぶ」という時点で、矛盾なのです。

 

そもそも、セミナーやスクールといったものは知らないことを学習するためのもので、その知識をコピーすることです。

 

「成功者の精神を学ぶ」ということは、成功者の精神をコピーするとも言えます。

 

ですが、精神をコピーすることなどできません。

 

もし、精神をコピーしようと思うのであれば、自身の精神を成功者の精神に書き換える必要があるからです。

 

ですが、自分自身は他の誰のものでもありません。

 

もし、そのことを行ってしまうと自分でなくなってしまいます。

 

これが、自己啓発の矛盾です。

 

そして、自己啓発などで用いられる手法が、「マインドコントロール」なのです。

 

そうなると、自己の精神は自分のものでなくなってしまいます。


マインドコントロールや洗脳と言ったものは、判断力を失わせてから手を差し伸べ、コントロールする側に都合のいい価値観を植え付けることで心をコントロールするものだと考えられます。

 

そこでコントロールする側に都合のいい価値観を植え付けるために、行動や言動を統一化することがあります。

 

マインドコントロールによって行動や言動を統一化されると、その行動や言動に合わせた「体の歪み」が作られます。

 

なぜかと言いますと、行動や言動も脳にインプットされることによって行なわれるからです。

 

 

動作が脳にインプットさせることによって「体の歪み」が生じます。

 

マインドコントロールによって、統一化した行動や言動が脳に刻まれて「体の歪みが固定化」されます。

 

「体の歪みが固定化」されると変性意識に陥りやすくなります。

 

そうすることで、マインドコントロールが強くなり、心身相関の関係から体の歪みが強くなると心の歪みも強くなります。

 

心の歪みが強くなると、視野が狭くなります。

 

そうなると、他の意見や考えを受け入れない、頑固で意固地な性格が形成されます。

 

そのようになると、多角的に物事を考えられなくなり、判断力が著しく低下します。

 

強くマインドコントロールをかけられると、自己を取り戻すことが難しくなるのは、そのためです。

 

なので、マインドコントロールをかけられないように、注意することが大切です。

 

では、どのようにすればいいのでしょう?

 

一番大切なことは、自己啓発的なビジネスセミナーや心理系のセミナーやスクールには近づかないことです。

 

「自分はかからないから大丈夫だよ」という人が一番危険です。

 

次に大切なことは、迷いや恐怖、興奮状態など心が動揺している時は、判断力が鈍るということを自覚することです。

 

そのように心が不安定な状態の時、体のバランスも大きく崩れます。

 

ですので、体のバランスを整った状態を知ることが大切になります。

 

体のバランスが整った状態を知っていると精神のバランスの崩れを察知しやすくなるからです。


そして、体のバランスが整うことで、体の軸ができます。

 

「心は体」なので、体の軸ができると心の軸も自然にできます。

 

心の軸を目安にすることで、精神的に動揺を最小限に抑えることができ、心の隙ができなくなります。

 

「自分自身の軸は、自分自身で作る」これが本来の自己啓発だと思います。

 

そして、本当の意味での成功とは、誰にもコントロールされることなく自立した者同士が協力し合って生きていくことだと思うのです。