丹田を作るメリット

丹田と言えば、下腹部にある臍下(へその下)丹田が一般的に知られています。

 

臍下丹田には古来より、不動心や肝が据わるといった精神安定の作用があると言われ、また気力の充実や不老長寿(アンチエイジング)の効果があるとも言われています。

 

ただ、臍下丹田の正体については諸説あり、腹筋であったり、腸であったり、気(生命エネルギー)が集まるところとか、体の重心であったりとさまざまです。

 

このように、丹田の位置や形については諸説あります。

 

しかし、下腹部には丹田という物質は存在しません。

 

そこにあるのは、腸などの臓器と腸腰筋などのインナーマッスルです。

 

しかし、これらの臓器やインナーマッスルは身体の器官の一つであり丹田ではありません。

 

では、丹田とは?

 

丹田とは、丹(薬)を作る田(場所)という意味です。

 

その場所に「万物の根源であるとされる気(物質でありエネルギー)を蓄えると薬が作られる」という考えです。

 

これは東洋思想の概念でありますので西洋医学、西洋科学的な解釈と分ける必要があります。


これらのことを踏まえて丹田を定義すると、丹田とは「田(場所)で丹(薬)を作る働き」だと解釈できます。

 

これを西洋医学的に言い換えると

  • 腸をはじめとする下腹部にある器官の働き

とう具合に、体の器官の機能だということになります。

 

なので、丹田を作ることで、下腹部の周りの臓器や筋肉の働きが活性化されると考えられます。 

 丹田の正体

丹田の正体は、下腹部の働きを認識する「感覚意識」です。

 

意識なので、明確な位置も形も存在しません。

 

ということは、下腹部を意識するだけで丹田が作られることになります。

 

しかし、それは大きな誤解です。

 

下腹部を意識してしまったら、脱力することができなくなってしまいます。

 

これは、筋肉と意識の性質によるものです。

 

人は、ある特定の筋肉に意識を向けると全身の筋肉が緊張し、過緊張状態を引き起こす性質があります。

 

特に、下腹部に関係する腹筋の緊張が強くなると丹田の感覚意識のもとになるインナーマッスル「腹横筋」が働かなくなります。

 

そうすると、姿勢が崩れてしまい、過緊張の原因となります。

【参考記事】丹田の誤解

 

このことが、丹田を作る大きな障壁になってしまいます。

 

そこで、最初に体のバランスを整えるワークを行うことからはじめます。

 

その理由は、脱力していなければ丹田を作ることができないためです。

 

下腹部の周りを囲む腸骨(骨盤の骨)に注目ました。

 

そうして、脱力体のまま丹田を効果的に作るノウハウを構築することに成功しました。

 

このことで、脱力した状態で丹田を意識化できるようになり、丹田の効果を得ることができるようになります。

 3つの丹田について

日本では、丹田というと臍下丹田のことを指しますが、東洋思想では3つの丹田があると言われています。

 

これが、三丹田説です。

 

3つの丹田の位置については諸説ありますが、

  • 上丹田=頭
  • 中丹田=胸郭
  • 下丹田=骨盤と下腹部

が有力です。

 

一般的となっている臍下丹田のみを作る方法では、腹筋の緊張によって脱力した状態で丹田を作ることが困難となるため、大田式調整動作®︎では3つの丹田を同時に作る方法を採用しております。

 

3つの丹田をそれぞれ作ることで、これらの周りの器官の働きが活性化されます。

 

例えば、

  • 上丹田でしたら脳をはじめとする頭にある器官や筋肉の働き
  • 中丹田でしたら心臓をはじめとする胸にある器官や筋肉の働き
  • 下丹田でしたら腸をはじめとする下腹部にある器官や筋肉の働き

などです。

 

そして何より、3つの丹田を同時に作ることで、作ることの困難な臍下丹田を形成しやすくなるというメリットもあります。

 

3つの丹田、それぞれの効果について、下記に記載いたします。

 上丹田の効果

上丹田が作られることで得られる効果として、

 

まず考えられるのが脳の働きが高まることです。

 

頭には目や鼻、耳、舌など五感の大部分を占め、また感覚情報を司る大脳が詰まっており、なお末梢神経や自律神経の中枢でもあります。

 

上丹田を作ると、これらの働きが高まることで脳神経系の働きが高まり、情報処理能力と情報発信能力、自律神経(交感神経、副交感神経)の働きがバランスよく高まります。

 

具体的には、

  • 頭の回転が良くなる
  • 思考の整理が行いやすくなる
  • 物事をクリアにとらえられる

などがあります。

 

例えば、視野が狭くネガティブに考えがちな思考パターンの人が上丹田を作ると

 

「視野が広くなり物事を整理して考えれるようになることで結果としてポジティブになる」

 

と言った効果が期待できます。

 中丹田の効果

中丹田には、ほとんど知られていない、さまざまな効果があります。

  1. 円滑なコミュニケーションが図れる
  2. 身体の重みをかける(深い脱力)
  3. 身体機能の向上

などです。

 

1番目の円滑なコミュニケーションを図れるようになることは、よく知られています。

 

しかし、2番目と3番目の効果については、ほどんど言われていません。

 

2番目の身体の重みをかけるですが、いっけん臍下丹田の効果のように思われるかもしれません。

 

臍下丹田にも身体を重くする効果がありますが、これは重心が安定することによって得られる効果です。

 

それに対して、中丹田の身体を重くする効果は、肋骨まわりの脱力によるものです。

 

3番目の身体機能の向上は、2番目と大きく関係します。

 

年齢を重ねるごとに体幹部の動きが固くなりますが、一番最初に固くなるのが肋骨です。

 

肋骨の動きが良くなると腕の動きが良くなりますが、それと共に脚の動きも良くなります。

 

このことで 

  • 胸郭の動きが良くなり、身体の重さを使った脱力動作が行える
  • 自律神経のバランスが整い、身体が癒され心が安らぐ
  • 心と体の脱力によって緊張が解け、コミュニケーションが円滑になる

などの効果が期待できます。

 臍下丹田の効果

下丹田(臍下丹田)を作ることでさまざまな効果が得られます。

 

まず、よく知られている強い精神力です。

 

丹田の感覚を意識できるようになると下腹部の中の内臓(腸)の働きが活性化されます。

 

このことで、副交感神経が刺激されます。

 

そうなると、ストレスがかかった時に交感神経の緊張が過剰にならないように抑えてくれるので、自律神経のバランスが崩れません。

 

このことが、精神の安定につながり、緊迫した状態でも冷静さを保つことができる強靭な精神力が身に着く理由です。

 

あと、知られているのがアンチエイジング(抗加齢)の効果です。

 

これも、腸が活性化されることで副交感神経が刺激されることが理由です。

 

腸の働きが良くなれば、食べ物を消化吸収しやすくなり、摂取した栄養を体をつくる材料に使えます。

 

そして、副交感神経が刺激されると夜に深い睡眠を取ることができるようになります。

 

人の身体は、夜寝ている時に体の修復が行われるので、良質な睡眠がとり身体を修復させることがアンチエイジング(抗加齢)につながります。

 

そして、下丹田が作られることで、あまり知られていない効果があります。

 

これが、身体動作の質の向上です。

 

この理由は、身体の重心が丹田があり、骨盤まわりに着いている身体動作の起点となる股関節の働きが良くなるため、脚の筋肉を効果的に使えるようになるためです。

 

また、下丹田が作られることで、身体を支える腹横筋というインナーマッスルが活性化されることで重心を巧みにコントロールすることができるようになり、重心のブレをなくすことができます。

 

重心のブレがなくなることで、心も体もブレなくなる。

 

これが丹田が作られることで得られる一番の効果だと言えます。

 身体のコア(核)になる3つの丹田

丹田とは、

  • 脳神経系の中枢にあたる上丹田
  • 体幹の中心に当たる中丹田
  • 体の重心にあたる臍下丹田

の3つの身体のコア(核)です。

 

脱力トレーニングでは、身体のバランスを整えることで3つの丹田を作る方法を採用しております。

 

そうすることで、気(エネルギー)・血(血液)・水(体液)の流れが整い、3つの丹田の効果を得られやすくなります。

 

このことで、

  • アンチエイジング(抗加齢)
  • 精神力が強くなる

などの効果が期待でき、

  • 肩こりや腰痛、冷え性などの改善
  • ダイエット効果

も期待できます。